歴史修正したい人達に思う事

萌え絵ポスターへの抗議が冷めやらぬ中、今度は、中年男性と女子高生の関係について描かれた「娘の友達」という青年誌漫画が不道徳だとしてTwitterで批判されている様です。
その件をつぶやいていたら、あらぬ方角から人間の面白い心理について考えさせられる出来事が起きたので、今回は、主に表現の自由よりもその件について書こうと思います。

「娘の友達」の設定だけ聞けば、「中年男性が都合良くJKを搾取している!」と怒り出す人達がいるのは想像がつきます。また、この単行本カラー表紙は今までバッシングを受けてきた、いわゆる萌え絵風の、はにかんだ女の子が誘う視線で、淡いタッチの絵。
しかし読んだ方の感想によれば、自分を縛り付ける母親から逃れたく、救いを求めて主人公にすがる女子高生と、主人公が倫理観や責任感に悩み苦悩する話の様で、「エロ漫画」ではもちろんなく、むしろ現代の息苦しさを描いた作品の様です。

漫画はファンタジーです。仮にエロ漫画であったとしても、読み手はファンタジーとして楽しみたいし、漫画は道徳の教科書ではありません。それに、もしも漫画に道徳的な人間しか出せなくなったら、わたしが個人的に好きな平山夢明先生や岩井志麻子先生の小説は読めなくなってしまいます。

これについて考えていた時、わたしは過去のある出来事を思い出しました。
93年にあるドラマで既婚者を不倫略奪する女性を演じたUさんです。
当時のUさんは、童顔で、瞳が潤み、少し寂しげな表情が可愛らしい、まるで今の萌え絵を具現化した様な人でした。そのUさんが既婚者の中年男性を不倫略奪する女性を演じるストーリーの為か、単なる配役を演じただけにも関わらず、「媚びてて許せない」と、当時の女性達から嫌われました。
テレビのワイドショーでも連日の様にその話題となり、「嫌いな女ランキング」の1位にもなっていたと記憶しています。
良く言えば、多くの人をそこまで思いこませる役柄を演じたという意味でも演技の才能ある方だと思いますが、飲み会の席でも「Uってどう思う?」という下世話な話が繰り広げられ、そのくらいUさんは多くの女性に嫌われてしまう人なんだなぁとわたしは気の毒に思いました。
93年のあの当時にSNSがあったら「本人と役柄は無関係では」という当然の声が上がったかもしれませんが、残念ながら、皆がテレビからの一方的な情報を共有する時代でのバッシングは相当なもので、以降Uさんをテレビでお見かけすることはなくなりました。
その後、あさま山荘事件をテーマにした映画に出演しているUさんを観て、映画俳優として活躍されているんだな、という印象でした。最近はハリウッドに進出されたそうで、良かったなと勝手に思っておりました。

Uさんへの過去のバッシングに感じた気持ちは、「娘の友達」への批判に感じたのと同じ、
「現実とフィクションの区別をつけろ」
という事です。わたしはそれを言いたくて、以下の様にツイートしました。

“(´-`).。oO(女子高生と中年男性の恋愛漫画「娘の友達」へのバッシングも、絵柄が萌え絵ってのも大きそう。昔、〇〇というドラマでヒロイン演じたUさんが、仕事として演じただけなのに嫌われて、流石に理不尽だと思ったのを、ふと思い出した…多分繋がる、この違和感。”

“Uさんは童顔だし若かった。他人の夫を不倫に導くのが、気が強く恋愛も仕事もガツガツ行くタイプの人なら、そこまででは無かったかもしれない。女性層にとことん嫌われ、テレビから観なくなった。ありゃ本当に理不尽だった…その漫画もファンタジーなのにバッシングされるの、何か似てる…”

しかし、このわたしのツイートに、Uさんご本人が取り上げ、この様に引用RTして来たのです。

“へ???
自分の人生を表現して来たお仕事ではなく、ゴシップ誌が作ったストーリーで信じられてしまうことの不思議”

わたしはむしろ、マスコミが騒ぎ立てた事がおかしく、「現実とファンタジーの区別をつけろ」と言っている側なので、Uさんは何か勘違いされている様でした。このUさんの間違った解釈により、他の人達も勘違いしたままわたしを批判して来て、嫌な思いをしました。
わたしがそれらに対して律儀に説明しても、そういう人は後を断たず、Uさんも勘違いを訂正するどころか、わたしが「前後のツイートの流れを見てください。」とお願いしても、「元の流れがどうというのは私のサブジェクトではないのでわかりかねます」とし、「2019年の今もこうだと思われたら嫌でしょう」と、わたしが言ってもいない事を更に強調されただけでした。
自分の誤読は認めないし、相手のサブジェクトも知らない、という人と会話をする気持ちが萎えてしまったので、わたしはUさんをミュートしました。

やり取りがあまりに噛み合わず、なぜなのかを考えていて、Uさんは単純に、女性に嫌われていた過去を触れられたくなかったのかと、鈍感なわたしはやっと気づきました。
わたしは自分の恥部をアートにするぐらいなんでも明け透けにする女なので、その様な恥じらいの意識に欠けていました。すまんこです。
しかし、ならば、わたしに絡んでしまった事で、多くの人に拡散され、逆効果だったのではないでしょうか

その上、Uさんを擁護する人達の、わたしに対する批判は止まず、今度は、「93年のあのバッシングは無かった、マスコミの嘘だ、女性に嫌われていたのはフィクションだ」と歴史修正する人達まで湧いて来ました。
わたしはバカ正直なので、自分が見て来た景色や事実と違う事を受け入れる気はありません。
当時の時代の空気を知る人達なら周知の事実を否定されればされるほど、Uさんへの過去の一般女性達が下した評価について語らねばならず、一体誰が幸せなんだろう?と疑問です。

どんなに嫌な過去でも、過去は消せません。わたしも逮捕を二回され、あれこれ言う人はいます。しかし他人の口を封じる事はできないし、起きた事実も変わりません。だからわたしは全部ネタにして笑いにして来ました。
昔、Uさんの様に「ぶりっ子」として嫌われたさとう珠緒さんも、現在はその過去をネタにご活躍されていると聞き、俄然応援したくなりました。

Uさんは今はハリウッドでもご活躍されている大俳優なんですよね。
過去にこだわるより、今どうかが大事ではないのでしょうか。
むしろ吹っ切って「昔は嫌いな女ナンバーワンだったんです」と明るく言う人だったら好感度も高まると思うのですが・・・余計なお世話ですね。
女性に嫌われていた事を隠したいキャラなら、それも自由だと思います。
ただし、人間とは、歴史修正をしたがるほど、隠されれば隠されるほど、余計に見たくなる下世話な生き物です。吉本芸人の花紀京さんも、見せたくない物を引き出しに隠し「あっ、そこは絶対開けたらアカン!」と言い張り続けてかえってバレるお笑いネタを披露していました。
だからわたしも、昔、自分が浮気や不倫した話も筑摩書房の自伝本や他の漫画で正直に書きました(後でなんか言われるくらいなら自分から言った方がマシですから)。
そして、自分だけは気づかれていないと思っている事も、周りが知っているのは、見ている方もなんとなく恥ずかしいものです。

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